シンクロナイズドスイミングの歴史が変わった。今夏の世界選手権(ロシア)の新種目「男女混合デュエット」の代表選考会が15日、都内で行われた。5人が出場した男子1位の安部篤史(32=トゥリトネス)が、男子では初の代表に内定した。2人が出場した女子1位の足立夢実(26=国士舘大監督)との「男女混合デュエット」は、5月の日本選手権(2日開幕、東京辰巳国際水泳場)でお披露目される。

 もう女子だけのものではない。世界選手権のシンクロ新種目「男女混合デュエット」の選考会。水中パフォーマンス集団「トゥリトネス」で10年以上活動する安部は力強くも、しなやかな演技を披露した。井村ヘッドコーチからも「肩の使い方が柔らかい。クラシックバレエ的な動き」と認められ1位になった。

 「お客さんにアピールするように演技した」。帝京大1年の夏、映画「ウォーターボーイズ」を見て、シンクロに興味を持つ。「トゥリトネス」でショーに出演してきたが、昨年12月、今回の選考会に挑戦することを決意。以来、午前に3時間、午後は競泳とシンクロのレッスンの仕事をこなしてきた。

 国際水泳連盟(FINA)は昨年11月、同種目の導入を決めた。国際オリンピック委員会(IOC)は男女平等の観点から男子、女子に限定された種目を嫌う傾向が出てきている。五輪種目から除外されないためにも、最近は男女混合種目が流行中。シンクロの男子禁制解除も世界の流れを受けた動きといえた。

 「男女混合デュエット」は5月の日本選手権で初披露される。現在の競技者は10人程度。本間シンクロ委員長は「シンクロの門をたたいてもらうことが大切」と今夏のジュニアオリンピック大会の小学生から男子の門戸開放を図る。【田口潤】