ラストロボコップ。角界随一の人気を博し、今年初場所限りで引退した元小結高見盛(37=現振分親方)の引退相撲が6日、東京・両国国技館で行われた。

 断髪式には、漫画家のやくみつる氏やアーティストのデーモン閣下、陸上の為末大氏、元横綱曙ら約380人が参加。

 最後は入門時の師匠で先代東関親方(元関脇高見山)の渡辺大五郎氏が止めばさみを入れて大銀杏(おおいちょう)を切り落とした。大歓声に包まれた館内で振分親方は「本当にありがとうございました」と絶叫して頭を下げた。

 この日は最後の稽古として、現役時代の青い締め込み姿で少年たちに胸を出した。最後の少年との一番では司会者の粋な計らいもあって、代名詞ともいえる気合注入を披露。容赦なく送り出して、白星を飾った。そして、断髪式。涙こそ流さなかったが「来るものが来たという感じ。少しずつ切られていって、少しずつ感傷的になった」と、しみじみと振り返った。

 断髪後の髪形は「モテ男ヘア」として、横を刈り上げて、頭頂部へと盛ったスタイルになった。「生まれ変わったという感じ。モテそう?

 そんなことございません。そういう経験はありませんから」と照れた。

 この日は、故郷青森から両親や兄2人も駆け付けた。母寿子さん(64)は「まげがなくてもかわいいなと思いました。今後は愛情ある指導をお願いしたい」と温かく見守った。振分親方は「これからは個性があって、相撲も強い力士を探して育てていきたい」と抱負を語った。