<大相撲九州場所>◇千秋楽◇24日◇福岡国際センター

 横綱日馬富士(29=伊勢ケ浜)が、5場所ぶり6度目の優勝を果たした。1敗で並んでいた横綱白鵬との結びの一番。立行司・木村庄之助が、2人の動きを途中で止めて勝負が決まる、という珍しい優勝決定の瞬間となった。

 日馬富士は立ち合いで当たった直後、左上手を取り、体を入れ替えるようにして一気に寄り。白鵬の右かかとが一瞬、土俵外に出たが、2人は気付かないまま取組続行。鏡山審判長(元関脇多賀竜)が手を挙げ、気付いた庄之助が2人を止めた。決まり手は「寄り切り」となった。

 優勝インタビューで、この場面について聞かれた日馬富士は「まったく気付きませんでした。攻めていたら、大横綱が力を抜いたので、ボクの足が出ちゃったかな、しまったと思いました」と冗談を交え、場内を笑わせた。

 大関稀勢の里は大関鶴竜を寄り切って、13勝2敗とした。今場所は2横綱を連破し、優勝に準ずる成績を収め、来年1月の初場所で綱とりに挑むことになった。