元横綱朝青龍関(29=本名ドルゴルスレン・ダグワドルジ)が24日、米ニューヨークから再来日した。初場所中に発覚した「泥酔暴行騒動」の責任を取って4日に「強制引退」。翌5日にハワイに飛び立ってから、19日ぶりに日本に戻った。スーツ姿で降り立った成田空港では、報道陣の問いかけに笑顔をみせたが無言。今後についてはタレント、格闘技転向などが取りざたされるが、警察の事情聴取が行われる可能性もあり、流動的だ。

 「ファン太郎」が成人したら、こんな格好になるのだろうか。成田空港に降り立った元朝青龍関は、白いワイシャツに濃紺のスーツ、白ぶちのめがねをかけ、マゲは頭の上に丸めて結んでいた。ゲートで待ちかまえる報道陣に一瞬ビックリしたような表情を見せたが、テレビカメラに向かって、笑顔で手を振った。

 報道陣から「米国では何をしていたのか」「今後の予定は」などの質問が飛んだが終始無言。通関の際には居合わせた一般客から「朝青龍だあ」と歓声が上がったが、手を振るだけで通過。混乱を避けて職員用の窓口を通り、いったん到着ロビーに出た後、また職員用の通路に入って姿を消した。

 「強制引退」から20日、日本を離れて19日。「少し休みたい」と引退会見で話した通り、ハワイで好きなゴルフでリフレッシュした。その後は米本土に渡り、ロサンゼルスからニューヨークに移動した。ニューヨークでは証券取引所に姿もみせた。

 今後についてはさまざまな情報が飛び交っている。個人事務所を設立してのタレント転身や、まだ若いこともあって日米の格闘技団体入りも取りざたされるが、10月3日に引退相撲を予定しているため、活動が制限されてはいる。逆に日本相撲協会を離れたことで、自身の親族が経営しモンゴル国内で事業を展開する「ASAグループ」への経営参画に障害がなくなっており、実業家としての再出発も視野に入れているとみられる。

 ただ、来日したことで、引退の引き金になった「泥酔暴行騒動」で警察の事情聴取を受ける可能性がでてくる。離日を把握できなかった警視庁は、すでに被害男性の事情聴取を終え「暴行を受けた」という証言を得ている。示談成立とかかわりなく立件となれば、将来設計にも影響が出ることは間違いない。