大相撲の横綱白鵬(25)の師匠の宮城野親方(41=元十両金親)が、日本相撲協会の勧告を受け入れなければ、年内にも解雇される可能性が25日、出てきた。八百長の存在を認めたと週刊誌に報じられたことを受けて、相撲協会は24日の理事会で、部屋付きの熊ケ谷親方(53=元前頭竹葉山)との年寄名跡の交換と師匠交代を勧告したが、宮城野親方は態度を保留。27日まで応じる構えを見せないままなら、臨時理事会を開いて強硬手段に出ることもありえる状況となった。

 宮城野親方問題は、相撲協会幹部の強権発動による幕引きへ、徐々に近づき始めた。ある理事は「横綱の部屋じゃなかったら、初めからクビだった。早ければ28日以降に臨時理事会を開いて、強硬手段に出るかもしれない」と、宮城野親方が相撲協会と対立姿勢を見せた場合には、解雇する可能性を明かした。前日24日の理事会で、宮城野親方は師匠交代を勧告されながら「弁護士と相談して決めたい」と、異例の態度保留。相撲協会は27日までの動きを見て、判断する方針だ。

 理事会では当初から「解雇」という声も出たが、角界の看板ともいえる横綱への影響を考えて師匠交代に落ち着いた。それでも素直に従おうとしない姿勢が、強硬手段へと拍車をかけている。放駒理事長(元大関魁傑)は24日の理事会後に「当然、応じるものだと思っている。手続きは、月曜日(27日)になるかもしれない」などと話し、初場所(来年1月9日初日、両国国技館)を控えるだけに、長引かせたくない考えだった。年内の決着が前提だ。

 この日、宮城野部屋では年3回の東京場所前恒例の「綱打ち」という、横綱の土俵入りの際に締める綱をつくる儀式が行われたが、宮城野親方は姿を見せなかった。先代の宮城野親方でもある熊ケ谷親方は「連絡も取れない。オレには何を考えているか分からない。このまま突っぱね続けたら(年寄名跡を)剥奪されても仕方なくなる」と、今後のことを何も話し合えないまま、音信不通状態に陥ったことを明かした。

 熊ケ谷親方は勧告に従う姿勢を見せていた。「これまでクマのネクタイをしていたけど替えないと。(宮城野にかけて)『城』がいいかな」と、冗談交じりに話した。さらに「師匠がいなくても目が届いている形にしないといけない」と、自身が師匠となったことを想定したように、弟子の指導についても話していた。

 今回の師匠交代は、部屋の継承となり、年寄名跡の交換が基本だ。だが、ある理事は「熊ケ谷部屋という形で認めるかもしれない」と明言。年寄「宮城野」は現親方の個人的な資産であるため、相撲協会としても強制的に師匠を交代することはできず「勧告」という形となった。勧告を受け入れるのか、解雇に発展するのか-。タイムリミットが迫ってきた宮城野親方の動向が注目される。