ソフトバンクのリーグV奪回のカギに迫る! 日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(50)が新年2日、今季のソフトバンクの課題を指摘した。いまだ解消しない「1番打者固定」に加え、先発投手の枚数確保が大きなポイントになると説いた。【取材・構成=浦田由紀夫】

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2年連続、リーグ優勝を西武にもっていかれた。さまざまな要因はあるが、浜名氏は大きな違いが1つあると言う。

浜名氏 西武は打線が売り。それも2年連続で打力が勝った。ソフトバンクとの違いは明らかです。それは打順を固定できているかどうか。

西武は18年、19年ともに日替わりで打順を組むことはあまりなく、1度仕上がるとほとんど変えることなく戦えた。

浜名氏 18年の打線から浅村が楽天に移籍した昨年も得点力が落ちることなく打線が爆発した。それはシーズン入って、4番中村、7番山川がハマったからだった。キャンプから春先までは手探りが続くが、勢いに乗ると変えない。固定を目指した姿が垣間見える。

ソフトバンクは昨年、故障者が続出した。柳田をはじめ上林、中村晃の離脱で外野陣が手薄になり、日替わりに成らざるを得なかった事情はある。だが浜名氏は西武首脳陣との違いを説明する。

浜名氏 固定させようとしていない。常に流動的でしたが、持論としては最低1番打者は固定した方がいい。西武秋山、日本ハム西川、ロッテ荻野クラスがソフトバンクにいて1番にどっかり座ったら、間違いなくリーグ優勝していたと思う。

投手陣も故障者が多く、先発投手不足に泣いた。開幕からローテーションを守ったのはエース千賀と新人王を獲得した高橋礼だけだった。

浜名氏 やはり試合を作るのは先発投手。最低でも4人はしっかり固定して作りたいところだろう。高橋純など、新たに先発に回る構想があるが、どこまで活躍できるか。

打撃陣では強打バレンティン、投手陣では左腕ムーアと新戦力を補強したが、必ず強くなる単純な話ではない。打線を固定し、先発の整備なしにはリーグ奪回はない、と見ている。

◆昨季ソフトバンクの1番打者 19年のリーグ戦は、10人が1番打者を務めた。試合数では54試合出場の牧原が1位で、明石22試合、福田21試合と続く。打率では1番で3割を超えたのは14試合出場の川島のみで、4割をマークした。10人のメンバーは牧原、明石、福田、川島、今宮、上林、釜元、周東、真砂、三森。