阪神は今季3度目の対戦で初めてDeNA浜口に白星を献上した。相手チームは阪神が複数の主力を欠いたとみるや、徹底的に抑えにかかったのは佐藤輝だった。

中西 DeNAにとっては、いかに4番の佐藤輝を封じ込むかだった。相手ピッチャーは当たっている近本、大山がいないからプレッシャーが違ってくる。1、3、5番が消えた阪神打線は佐藤輝に長打を打たせないことが最大の狙いだったはずだ。阪神サイドは全体的に浜口のチェンジアップが邪魔になって仕方がなかったように見えた。

その佐藤輝は、2、5回の2打席とも、浜口のチェンジアップに空振り三振を喫し、7回も同じ球で中飛に仕留められた。最終打席の9回2死一、二塁、代わった山崎のストレートに空振り三振で終わった。

中西 いつもの浜口と違ってカウントが悪くなってもストライクをとれたし、粘り強くカウントを整えられて打ちとられた。最終的にはチェンジアップで仕留められたが、その途中で甘い球を打ってファウルになったりで、とらえきれなかった。どうしてもチェンジアップが頭にあるから絞りきれなかったのだろう。

それにしても阪神の約1カ月ぶりのカード負け越しは、守備、走塁ミスのオンパレードだった。

中西 伊藤将は丁寧にコーナーを投げ分けた。だが緊迫した展開でミスが重なると勝利は逃げていく。チームは残り40試合を切って、もっとも我慢のしどころにきている。主力を欠いて必然的に得点能力が低下しているから、守り負けしないよう、いかに失点を防ぐかでしのいでいくしかない。【取材・構成=寺尾博和編集委員】