ソフトバンクの準備力、集中力が伝わってきた。ファーストステージを逆転勝ちで勢いに乗る日本ハムに対し、レギュラーシーズン最終戦から間が空いていた。だが、中11日の公式戦というブランクを全く感じさせなかった。各バッターが1回り目からすんなり試合に入れていた。「さすが」の一言であり、チームの経験値の高さを感じた。
故障から復帰した近藤は2回に中越え二塁打。走塁もできており、この試合に合わせてきたことを最初の打席で見せつけた。今宮がつなぎ、正木のヒットで先制。直後に追い付かれても、川瀬の超ファインプレーで勝ち越しは防いだ。すると山川の二塁打に、今宮、栗原、山川のソロ3発と、長打力で勝負を決めた。
主力もフェニックスリーグに参加していた。もちろん、それだけでは意味がない。個々が明確な意識を持ち本気で準備したのだろう。振れており、実戦感覚が保たれているのはすぐに分かった。同じことはバッテリーにも言えた。有原はシーズン同様、球を動かし、変化球にも強弱をつけていた。1打席の中でも押し引きを巧みに使っていた。
特に目を引いたのが清宮への攻めだ。状態を上げている3番打者をキーマンとみたのだろう。初回は6球全て内を攻め空振り三振。4回の第2打席は入りは内だったが、3球目から外。1打席目の内攻めが効いたのだろう。清宮は外のフォークを開き気味に打ってファウルで追い込まれ、最後は外の真っすぐに一ゴロ。結局、4打席凡退に抑えられた。初回に無死走者なしで迎えたことで、バッテリーは思い切った攻めができたのだと思う。仮に得点圏に走者がいたら、同じ攻めはできなかったはず。状況に応じた組み立てをみせたバッテリーが上手だった。
対照的に、日本ハムのバッテリーはもったいない失点が続いた。3回の山川の勝ち越し二塁打は初球真っすぐ。前打席は外の明らかなボール球のスライダーに空振り三振。それを逆手に内のボール球から入ろうとしたが不用意だった。5回の栗原のソロはカウント0-2と追い込んでから。8回の山川のソロは1-1から再び内を突いた真っすぐを運ばれた。先頭で1発しか狙っていないのは明らか。外で良かったし、もし内を突くなら、もっと厳しく攻めないといけなかった。
日本ハムはアドバンテージを含め0勝2敗。かなり劣勢となったが、ミラクル的な強さがあるチーム。1年の戦い方を貫くしかない。ただ、短期決戦では状態が悪い人の復調を待つ時間はない。郡司のように打てていない選手の起用を、どうするかがカギだろう。(日刊スポーツ評論家)




