楽天はロッテに2連勝し、2カード連続で勝ち越しを決めた。先週の6連敗から一転、今週は5勝1敗。勝率5割まで、あと1勝まで盛り返した。楽天元監督の平石洋介氏(44)は、開幕2軍スタートだった中島大輔外野手(23)と堀内謙伍捕手(28)の2人に注目した。

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中島の2回の3ランは、直前のファウルがカギになった。2球ボールが続いた後、ロッテ西野の3球目は外ぎりぎりから逃げていくツーシームだった。バッティングカウントで中島は仕留めにいったのだが、あまりにいい球だったからだろう、インパクトの直前にスイングを緩めた。結果、三塁側へのファウル。もし、そのまま打ちにいっていたら、おそらく凡打になった可能性が高い。続く4球目、インハイの真っすぐを右越えに放り込んだ。

キャッチャーの田村としては、直前に外の球でファウルを打たせたことで、バッターに対し外角への意識付けができたとみたのではないか。もしくは、変化球が頭にあるとみたのかもしれない。いずれにせよ、そこで内に真っすぐを突っ込んだ。仮に打たれても詰まらせられると思ったのだろう。ただ、中島はもともとインハイにツボがある。好きなゾーンにきた球を見事に捉えた。それを可能にしたのも、打ちにいきながらファウルで逃げるという冷静な判断があったからだ。

中島は試合前の時点で13打数1安打と苦しんでいた。ここまで打てないと、気持ちが焦る。結果を求めすぎると、強引なバッティングに陥りがちだ。この日のように打席で冷静さを伴えば、状態は上向くはず。8回の最終打席では、2死一塁から四球を選んだ。得点にはつながらなかったが、出塁やつなぎという役割をこなしていって欲しい。もともと能力は高い。この日で気持ちが少しでも楽になったのなら、次週からも楽しみだ。

堀内も非常に大きな仕事をした。2回は2死二塁で低めのフォークを拾い、二塁内野安打。中島の3ランを引き出したが、4回の四球を高く評価したい。表に1点を返された。その裏、伊藤が3球三振、村林は初球で二飛。わずか4球で2アウトを取られていた。堀内は「あっさり終われない」と思ったはず。カウントは2-0、2-1、3-1、3-2とボール先行で進み、6球目で四球を選んだ。

全6球、1度も振らなかった。甘いストライクは振りたかったと思うが、そこで我慢した。次の中島が二ゴロのため、追加点とはならなかったが、試合の流れを考えると価値のある四球だった。ロッテが2点差に詰めた直後。もし、堀内も早いカウントで手を出し、簡単に3者凡退に抑えられていたら、相手に流れがいきかねなかった。

堀内は今季で10年目。1軍での出場数は多くないが、“流れ”を感じられたのは、相手の立場になって考えているからだろう。キャッチャーとしての経験が生きている。

中島も、堀内も、開幕は2軍スタートだった。2人とも悔しい思いをしただろう。それでも、ファームでともに打率3割超と結果を出し、同じタイミングで昇格してきた。2軍で頑張ればチャンスがもらえることを体現したわけで、他の選手の刺激になるはず。チームの活性化につながることも考えられる。

リリーフ陣の頑張りも光った1週間だった。どのチームにも言えることだが、白星は1つずつしか増えない。とにかく連敗は避けること。シーズンは長い。まずは勝率5割近辺をキープしていけば、落ち着いて戦っていける。(日刊スポーツ評論家)

楽天対ロッテ 2回裏楽天2死二塁、二塁内野安打を放つ堀内(撮影・河田真司)
楽天対ロッテ 2回裏楽天2死二塁、二塁内野安打を放つ堀内(撮影・河田真司)