開幕前の順位予想では、ソフトバンクと日本ハムが優勝争いをすると見込まれていた。パ・リーグの上位争いは、この両チーム以外に西武とオリックスがいるが、「一番怖い相手は?」と聞かれれば、お互いに最も強く意識している相手同士の対戦だった。
がっぷり四つの素晴らしい投手戦だった。先発として実績がある北山と、今季初先発になった松本晴の投げ合い。ともに初回の立ち上がりは150キロ台の真っすぐを連発した。制球力もあり、変化球のキレも抜群。北山は「さすがのピッチング」で、松本晴は「これで今季初の先発?」と驚くようなピッチングだった。
ただ、ともに失った1点は、とてももったいない失点だった。2回表、北山は先頭中村の一塁側のボテボテのゴロを一塁に送球できず、内野安打にしてしまった。これで動揺したのか、次打者の柳町に2ボール。ここからストライクを取りにいった甘いカットボールをセンター前にはじき返され、山川の犠牲フライのきっかけを作ってしまった。北山の持ち球の中で、カットボールは4番目ぐらいの球種だろう。勝負どころで悔いの残る1球になった。
松本晴も勝負どころの1球を間違えた。4回裏1死二塁、清宮幸に初球のスライダーを打たれ、センター前に同点タイムリーを浴びた。前の打席はスライダーを続けて見逃しストライクを奪い、3球目のチェンジアップで空振り三振を奪っていた。裏をかくなら見逃し三振を奪ったチェンジアップから入ってよかったが、2球続けて見逃しストライクを奪ったスライダーでストライクを取りにいき、痛打を浴びた。
お互いに痛恨の1球だが、決して「間違い」と呼べるほどの配球ミスではない。しかし、優勝争いの最大のライバル同士の戦いでは、こうした小さなミスが勝敗に直結する。1-1のまま、最後は日本ハムがサヨナラ勝ちしたが、どちらかの先発が無失点でしのげていれば、防いだ方のチームが勝利していたと思えるような試合だった。
ここまでのチーム得点はソフトバンクがリーグトップなら、日本ハムが同2位。失点の少なさは西武が1位だが、日本ハムは2位でソフトバンクは3位。攻守の総合力でいえば、やはりこの2チームが抜きんでている証拠だろう。言い換えるなら、これだけ得失点で優位な結果を残していながら日本ハムは首位を独走していない。ソフトバンクにしても主力のけがが多いとはいえ、残している得失点差を考えると首位争いをしていても不思議ではない。
今後は防げる失点を少しでも減らし、奪える得点を少しでも増やすこと。今試合は記録に残る失策はなかったが、ソフトバンクはリーグ最多29失策で日本ハムは同2位の28失策。大小かかわらず、ミスを減らした方が優勝に近づいていくと思う。(日刊スポーツ評論家)




