<パCSファイナルステージ:西武2-8ソフトバンク>◇第4戦◇20日◇メットライフドーム

勝負事は無情で非情だ。リーグ2位の工藤ホークスが獅子を追い詰めた。CSファイナル5試合目。今日21日にもソフトバンクの2年連続日本シリーズ進出が決まる。西武は2点を追う6回裏。1死二、三塁から中村が3球三振。続く岡田も見逃しの三振に倒れ、絶好の反撃機をつぶした。それまで秋晴れだった空が黒く曇るとドーム球場の外を大粒の雨がぬらしていた。直後の7回にホークスは4点を挙げ、勝負は決まった。冷たい秋雨はレオの涙雨だったのだろうか。

「王手」と言っても、チームはまだまだ警戒心を弱めることはない。だが「下克上」を果たしてシリーズへ進めば、セ界3連覇の広島との激突となる。気の早い話ではあるが、ホークス対カープは日本シリーズ史上初の顔合わせとなる。「広島? その話はまだ答えられんじゃろ。王手をかけても西武とは(リーグ戦で)6・5ゲーム差も離されとったんじゃけ。もし、明日負けたら逆王手。それはものすごく苦しいんじゃけ。だから決めるなら明日しかないんじゃ」。達川ヘッドコーチはシリーズ話は自重しながらも、一気の突破をまくしたてた。

勝負事は最後の最後まで分からない。だが、このCSファイナル4試合を振り返ってみれば、西武の復元性は感じられない。シーズン終盤は敵地所沢での6試合で1勝5敗とたたきのめされたのも遠い過去のように感じられる。油断は禁物だが、平成最後の日本シリーズは福岡-広島の「新幹線対決」で結実しそうな気配である。【ソフトバンク担当 佐竹英治】