<パ・CSファーストステージ:ソフトバンク3-5楽天>◇第1戦◇5日◇ヤフオクドーム

ソフトバンクは、このまま静かに終戦を迎えてしまうのだろうか。3位楽天とのCS初戦はエース千賀がソロ本塁打を4発食らって逆転負け。3戦2勝のCSファーストステージ。初戦を落とせば、文字通り王手がかかる。楽天戦はレギュラーシーズンからこれで3連敗。徳俵に足をかけたチームに復元力はあるのだろうか。

今宮、内川の2本のアーチで逆転したものの、その後は打線のつながりを欠いた。シーズン終盤から続く「不振」はいまだにぬぐい去られていない。豪打を見せつける打線ならともかく、急激に得点力が落ちているチームには、思い切った組み替えも必要になるのではないだろうか。状態の上がらない選手はベンチスタートになっても仕方ない。復調を待つ時間はない。短期決戦に猶予はないのだ。

1点差に迫られた3回には先頭明石が中前打で出塁。続く今宮には送りバントではなく、打ての強攻策。得点には結びつかなかった。

楽天則本がまだ不安定だっただけに一気の攻撃で得点を狙うのも分からなくもない。だが、打席を外してサインを再度確認し直した今宮の姿は、楽天ベンチもしっかり確認していた。1本のヒット、1個の四球から「盤面」を揺さぶるような采配も必要になってくるのではないだろうか。

もちろん、まだまだチャンスはある。「僕らの最終的な目標は日本一」。V逸から再び「下克上」を誓った工藤監督の言葉を信じたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】