ビールの売り子が甲子園に2カ月ぶりに帰ってきた。今季初めて観客が1万5000人を超えた25日DeNA戦から、アルコール飲料の販売が平日のみ午後7時まで限定で解禁された。スタンドには鮮やかなピンクや赤の制服の売り子が元気に売り歩いていた。
アサヒビールで売り子8年目の26歳女性は「『やっと球場でビールが飲めてうれしい』というお客様が多かったですね。(常連客からは)『久しぶり。元気にしてた』と声をかけられました」と、喜んだ。午後6時50分までで販売終了。試合はまだ4回表だったが、通常より売り子の数が半分以下のためフル回転で忙しかったという。
この2カ月、復帰に備え走り込んで体力づくりを続けてきた。10リットルのタンクを入れ、全装備の重さは約15キロ。手袋、マスク姿で通常よりも体力がいる。「声が出せないので、手と目線でアピールしています」。キャストと呼ばれる甲子園の売り子はこの女性のようにベテランが多い。「楽しく笑顔で売らないと、お客様にもバレちゃいますから」と、杯数、売り上げばかり考えてバチバチと仲間で争うよりも、愛想よく笑顔を振りまくほうが客も増え、甲子園の売り子の評価も高まっているという。
「佐藤輝明選手はすごいですね。チームが首位で強い今、満員の中で売りたいですね」。コロナが終息し「今日の輝クンもすごいですね!」と笑顔で客と話し、キンキンに冷えた生ビールを注ぐ。そんな日が来ることを楽しみに、今はマスク姿で全力で売り歩く。【阪神担当=石橋隆雄】




