あいにくの雨となって、19日のソフトバンクB組と巨人との練習試合(ひなたサンマリンスタジアム宮崎)は中止となった。チームはサンマリン球場奥にある旧室内練習場で巨人と入れ替わりの練習となった。

広大な施設内に、ひなた木の花ドームが建って、雨天練習はもっぱらビジターもそちらを利用することが多い。めっきり訪れることのなかった旧室内練習場だったが、懐かしい思い出がよみがえった。「今年の新人はいいですよ。打撃はいいし。主軸になりますよ」。もう20年以上も前の話になる。バットケースと防具の入ったバッグを両肩に抱え、室内練習場に入ってきた汗まみれの新人捕手に視線を向けて言ったのはホークスから巨人へ移籍していた吉永だった。新人とは現在の阿部慎之介1軍作戦兼ディフェンスチーフコーチである。

そんなことを回想していたら、若手投手陣を引き連れて杉内3軍投手コーチが玄関から出てきた。「いやあ、楽しいですよ」。笑顔を残して移動車に乗り込むと、その後に市川3軍バッテリーコーチがバッグを抱えてやってきた。「一生懸命、頑張っています」。今季からコーチに就任し、若手捕手育成に向けて汗を流している。ホークスに在籍した懐かしい2人だった。巨人はホークスの38人を上回る41人の育成選手を保有。両コーチらの責任も重いが、前向きな姿が印象的だった。

さて、ホークスB組は午後には生目の杜(もり)に戻って野手陣は打撃練習を行った。A組昇格に足踏みしているリチャード、野村大らもバットを振り込んでいた。「競争」を掲げた今キャンプ。実戦が減ればアピール機会も少なくなる。キャンプも約3週間がたとうとしている。残された時間はそう長くない。A組は20日の最終紅白戦を含め、宮崎での実戦は残り5試合。「投打」ともに「22年型」の姿はまだまだ、おぼろげである。【ソフトバンク担当 佐竹英治】