「センター井上」が気になった。6日に行われた阪神とジェイプロジェクトの2軍プロアマ交流戦(鳴尾浜)。左翼で先発した井上広大外野手(20)が、7回から中堅守備に就いた。
直前に代打出場していた高山俊外野手(28)が、そのまま守備に就くタイミング。両者が守ることの多い「センター高山」「レフト井上」ではなかったから、意外だった。
新任の工藤隆人2軍外野守備走塁コーチ(41)がポジションの指示を出していた。
「アマチュアとの交流戦なんで、いろんなポジションを試して動きを見てみたいからね」
あくまでお試しであることを強調。一方で、しっかりと意図もあった。
「センターは両サイドに指示を出さないといけない、外野の司令塔。広大(井上)にもそれを経験してほしかったんです」
1軍の近本光司外野手(27)をはじめ、センターには俊足で広い守備範囲が特長の選手を置くイメージがある。工藤コーチは「足は重要」とした上でさらに、「指示」というスキルを若手に体験させる狙いを持っていた。
「センターをやっていたら、センターの気持ちも分かりますから。それが両翼を守った時に生きる場合もある。外野なんで1個のポジションだけじゃなく、広大(井上)にもみんなにも、いろんなポジションを守れるようになってほしい」
現役時代に日本ハム、巨人、ロッテ、中日と4球団を渡り歩き主に代走、守備固めだったスペシャリスト。説得力が違った。
さらに工藤コーチは、ドラフト6位豊田寛外野手(24)の守備についても教えてくれた。
「豊田はすごく打球勘のいい子。非常に素晴らしい選手なんで、1軍でも面白いものをみせてくれるんじゃないかな。すごく“試合映え”する選手だと思うし、それってプロ野球選手にとって大事なことだと思うんです」
走る、捕る、投げる。どれをとっても指導者の目を引きつける存在感を醸し出すという。1軍でプロ初スタメンが予定されていた7日のDeNA戦(甲子園)は中止となったが、聖地の外野芝生で躍動する日は、そう遠くない未来なはずだ。
野球は打つだけじゃない。華麗な守備でファンを魅了する“工藤チルドレン”にも注目したい。【阪神担当=中野椋】




