田村藤夫氏(61)のフェニックスリーグ(宮崎)リポート3回目は、オリックスの大卒プロ3年目の頓宮裕真捕手(24)に注目した。タイプの異なる2投手をリードして無失点ピッチングを引き出し、快足を誇る日本ハム五十幡を二塁で刺し、捕手としての資質を感じさせた。
3回2死一塁。走者は五十幡。カウント2-0からの3球目、先発はアンダースローの中川颯。クイックのタイムは1秒22~41。1秒25を切れば合格点という中、このバッテリーはしっかり備えていた。
3球目はストレート。頓宮は二塁送球1秒92の見事な送球で刺した。捕手の二塁送球は、練習では1秒8のタイムも出るが、試合では2秒0を切れば合格点。球界NO・1甲斐が試合で1秒80~90ということ考えれば、頓宮の送球までの機敏さ、送球の強さ、正確性は高いレベルだった。
頓宮は以前、三塁を守っていたことがある。この試合でも7回からは一塁。打撃に長所があるため、捕手以外のポジションも守るが、捕手としてのポテンシャルは感じられた。
配球に異彩を放つ場面があった。先発中川颯は最速136キロ。スライダーと100キロ未満のカーブで3回を3安打3三振。初回、今川に対し3球カーブを続けた配球には驚いた。カーブ、カーブ、カーブでカウント2-1。4球目は外寄りストレートで右飛。ちょっと遅れ気味のスイングは、3球続けたカーブが効いた。100キロ未満のカーブを3球連続は、なかなか勇気がいる。
捕手出身として言わせてもらえば、私は3球連続には抵抗があった。捕手というのは違う球種を挟みたくなるもの。続ければ「どうしても狙われてるのでは」と疑ってしまうからだ。3つ続けることは推奨しない。これが1軍ならば、こうした打ち取り方はなかなかイメージしづらい。頓宮が1軍で捕手で定位置争いをするためには、3球続けることの意味をより深く考えてほしい。
4回からは2番手黒木。最速151キロの速球派で、5回は3連続三振を奪った。最後の打者片岡にはストレートのみで3球三振。この配球にもさらに突き詰めて考える必要はあるものの、ひとつの個性は感じた。
バッティングでは第3打席でインコースを4球連続で攻められながら、最後の外角スライダーをしっかり選んでの四球。こういうところで対応できるのは特徴として印象に残った。
1軍は優勝争いの大詰めにいる。頓宮とすればこういう時こそ1軍でチームの力になりたいはず。はやる気持ちもあるだろうが、こうして持ち味を出していれば、いずれ1軍に定着する可能性は出てくる。(日刊スポーツ評論家)






