大学、社会人出身の新人が活躍した今季のプロ野球だが、彼らより年下の高卒2年目の選手も目立っていた。昨年はわずか1試合の奥川(ヤクルト)がチーム最多タイの9勝を挙げて優勝に貢献。1年目に登板がなかった及川(阪神)と佐々木朗(ロッテ)も優勝争いの中で貴重な戦力として働いた。

今季活躍した高卒2年目の選手
今季活躍した高卒2年目の選手

パ・リーグを制したオリックスでは19年ドラフト1位の宮城大弥投手(20)が13勝、同年ドラフト2位の紅林弘太郎内野手(19)が10本塁打と、高卒2年目コンビがブレーク。2人は規定投球回と規定打席に到達した。同じ年のドラフトで同じ球団に指名された高校生の投手と野手が、そろって2年目以内に「規定」をクリアしたのは初めてだった。

ドラフト制後、高卒2年目以内に防御率3傑入りした投手
ドラフト制後、高卒2年目以内に防御率3傑入りした投手

宮城は山本(オリックス)に次いでリーグ2位の13勝を挙げ、防御率2・51もリーグ2位。高卒2年目以内に規定投球回に到達したのは14年の藤浪(阪神)と大谷(日本ハム)以来、7年ぶり。ドラフト制後は35人、41度目だが、防御率3傑入りは14年に3位の大谷以来で8人、9度目。勝利数と防御率の両方が3傑入りは68年江夏(阪神)、87年桑田(巨人)、99年松坂(西武)と宮城の4人しかいない。

ドラフト制後、高卒2年目以内に規定打席へ到達した選手
ドラフト制後、高卒2年目以内に規定打席へ到達した選手

紅林は開幕戦に9番遊撃で先発。吉田正が不在の9、10月には3番も20試合務めた。高卒2年目以内の野手がレギュラーを獲得するのは難しく、ドラフト制後に規定打席到達は12人、13度目。規定投球回到達が35人だから、投手に比べると約1/3に減ってしまう。狭き門だけあって、高卒2年目以内に規定打席をクリアした選手の未来は明るい。今季が8年目の森(西武)、4年目の村上(ヤクルト)を除くと、坂本(巨人)まで9人のうち6人が通算2000安打を達成。紅林が、早くも19歳で名球会入りのチケットを手に入れたかもしれない。【記録室】