「1番、佐藤輝明。新庄監督ならそういうオーダーを組むと思います」。虎番キャップの桝井聡はそう断言した。いささか間延びしたような感もあるCSを前にどんなスタメンやろか、と話していたときだ。
その心は…という質問に間髪入れず「ファンのみんなが見たがっている打者。たくさん打席を見たいからです」。なるほど。前日4日に日本ハム監督に就任する会見を行った新庄剛志の様子を思い出し、確かにそうかも…と納得した。
佐藤輝明に関しては少し前、別の人物と話した。日刊スポーツ評論家で広島3連覇監督の緒方孝市との会話だ。「CS、佐藤輝のスタメンがあったりして」というこちらに緒方は苦笑しながら言った。
「メディアの人とかファンはそう思うでしょうね。でも実際に戦う側、監督の立場からすればどうかな。三振ばっかりする状況なら短期決戦では苦しいですよ。でもそう言うと面白くない。何より打てば盛り上がるのは間違いないんだし」
これもよく分かる。前半戦のような爆発力を佐藤輝が見せてくれればCS突破も夢ではない。しかし、まだ、そういう気配は見えないようだ。
現実的に見れば6日のスタメンは想像できる。10月13日、東京ドームでシーズン最後に巨人菅野智之と対戦したときと同じになるのではないか。4回に坂本誠志郎の1号ソロで追いつき、ドローで終えた試合だ。スタメンは島田海吏、中野拓夢、近本光司、マルテ、糸原健斗、ロハス、木浪聖也、坂本誠志郎、先発投手は西勇輝。そのオーダーに佐藤輝はもちろん、同じく後半に調子を落とした梅野隆太郎の名前はなかった。
「佐藤輝もそうだけど梅野の使いどころも大事ですよ。代打でもいい。打撃も体調さえ良ければ集中力があるし。自分のときのカープもそうだったけれど、とにかく誰がヒーロー、誰で勝つということではない。全員で一丸でやらないと。矢野監督もずっとそう言ってるんだしね」
緒方はそういう話もしてくれた。まさにその通りだと思う。主役でなくてもいい。誰が活躍してもいいのだ。全員で戦って勝つ。それが今の阪神のスタイルだし、逆にそれなしでは勝てない。そんな試合を短期決戦で演出できるかどうか。「勝負の3年目」シーズンを終えた指揮官・矢野燿大の手腕があらためて注目される戦いだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




