野球ファンならひいきチームがどこかに限らず、佐々木朗希をたたえる日だ。完全試合は並大抵ではない。「がんばろう神戸」の95年、オリックス野田浩司がつくった「1試合19三振」も千葉だった。風の影響で変化球のキレが…というのも知られる話だが、それに並ぶ三振記録もつくった。この日もオリックス戦。因縁かどうか分からないが、とにかくたいしたものだ。

ロッテには他に印象に残っていることがある。プロ野球ワーストの「18連敗」を喫した98年だ。同年7月7日。当時の連敗記録を更新、17連敗となった試合をオリックス担当としてグリーンスタジアム神戸(当時)で目の当たりにした。

ナイターとはいえ、真夏の屋外。厳しいコンディションで当時のエース黒木知宏が投げ続け、9回2死まできた。あと1人で連敗が止まる-。しかしオリックスのプリアムという外国人選手に同点2ランを浴び、文字通り、マウンドに崩れ落ちてしまった。

気持ちで投げる投手だったこともあり、打たれたショックと脱水症状で動けなくなった。仲間に両脇を支えられてフラフラと歩く黒木の様子を見て、プロ野球のおそろしさ、勝負の厳しさを強く感じたものだ。

同時に胸を熱くしたのは当時のロッテファンの様子だった。神戸の左翼席にこんな横断幕が出た。「マリーンズ 俺たちがついてるぜ!!」。負けているときこそ応援するのがファンという姿を見せてもらった。

阪神の話だ。この日はハッキリいって力負け。あるいは勢いの差か。ともに無四球で締まった試合だったが広島の助っ人野手に阪神の助っ人投手が浴びた1発だけで試合が終わった。阪神打線も最後に見せ場はつくったが、おなじみになった“あと1本”が出ずに逃げ切られた。これで9連敗の後に1勝してから試合中止、引き分けを挟んで3連敗。トンネルは長い。

大山悠輔が空振りに倒れ、試合が終わった後、指揮官・矢野燿大以下のナインが整列し、ファンにあいさつした。甲子園の外野からは怒鳴り声も飛んでいたが内野席のファンは激励の拍手を送っていた。

勝っても負けても応援するのがファン-と言えば甘いかもしれないが弱いから見放すでは寂しい気もする。みんな手を抜いているわけではない。あえて言わせてもらえばあの日の黒木のような思いで戦っているか阪神よ、ということだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対広島 矢野監督(中央)はファンに頭を下げる(撮影・上田博志)
阪神対広島 矢野監督(中央)はファンに頭を下げる(撮影・上田博志)