函館大柏稜が七飯を下し、2年ぶりの南大会まであと1勝に迫った。継投策を取ったチームにあってエース小平裕太(3年)が、先発で3回1安打無失点。相手の攻撃を封じ、2番手以降にバトンを渡した。「全力で勝負に行った」とこん身の38球を振り返った。

 幼なじみとの初対戦でもあった。七飯の4番で主将、梅川武流捕手(3年)とは函館桐花中時代バッテリーを組んでいた。2回に直接対決。元女房との勝負は「意識し過ぎた」と力んで四球だった。試合後、あいさつを終えるとお互いに健闘をたたえ合った。「俺らの分まで頑張れ」と言葉を掛けられ目頭を熱くした。

 2人の野球人生は函館昭和小6年時、一緒に少年団の助っ人に呼ばれて始まった。

 13年南大会4強の同校で背番号1の小平と、部員集めに奔走して10人で戦い抜いた梅川。高校でチームは分かれたが、いつか公式戦で対戦する日を心待ちにしていた。「親友と最後の夏に初めて対戦できて良かった」。今日27日、函館大有斗との代表決定戦で友の思いも背負って戦う。【保坂果那】