秀岳館(熊本)が快勝で4強を決め、来春のセンバツ出場を確実にした。4番で主将の九鬼隆平捕手(2年)が8回のソロを含む4安打3打点の活躍。高校野球ではNHKの解説でおなじみだった鍛治舎巧監督(64)が就任2年目で甲子園への「里帰り」に大きく近づいた。

 夢を確実にする打球が左中間芝生席で弾んだ。8回、秀岳館の大黒柱、九鬼がソロを放って4強入りをグッと引き寄せた。「今日は方向関係なく自由に打っていいということだったので」。前日(25日)の2回戦は右方向を狙い過ぎて無安打。大事な準々決勝で鍛治舎監督から「お許し」を得た主砲が、こん身の力を込めた1発だった。

 ソロを含めて4安打3打点。三塁打が出ればサイクルだった。「広角に打つつもりだった。気楽に打てた」。1回は左前打、4回は右中間二塁打、8回に左中間へ1発と、まさに自在に打ち分けた。父は松下電器の捕手だった義典さん(46)、母は元東洋紡バレー部のセッターで活躍した昭子さん(46)。スポーツ万能のサラブレッドが、チームをセンバツ当確へと導いた。

 就任2年目の鍛治舎監督が中学時代に所属したオール枚方ボーイズの監督だったこともあり、あとを追うように熊本へ越境。高校野球ではNHKの解説としておなじみで、松下電器(現パナソニック)監督も務めた鍛治舎監督は「九鬼は主将となって自覚がでてきた。あのホームランは良かった」と目尻を下げた。

 熊本県大会では夏の代表校だった九州学院を倒して優勝。九鬼は「九州では負けるつもりはありません。まず優勝が目標です。センバツを考えるのはその後です」と言う。鍛治舎監督も「選手には神宮に行って、昨年(九州王者)の九州学院に続けと言ってます」。頼れる主将で4番捕手に率いられた秀岳館ナインは、目標の九州チャンピオンまで気を緩めるつもりはない。【浦田由紀夫】