仙台育英との春の県大会2回戦(5月24日)の9球団19人に続き、この日もプロ10球団16人のスカウトが詰め掛けた。佐野仙好部長を筆頭に最多4人で乗り込んだ阪神葛西稔スカウトは「フォームの形がいいから、もっと球速は出る。左でこんなに安定して投げられるのはなかなかいない。好素材ですね」と太鼓判を押した。パ最多の3人で見守ったソフトバンク作山和英スカウトも「腕の振りが柔らかい。体ができれば面白い。将来性があって楽しみ」とたたえた。

 絶賛の嵐を尻目に、佐藤隼は進路を封印して19日の仙台商との2回戦に気持ちを切り替えていた。「夏が終わってから決める。進学もプロも5割5割」と進路に言及し「三振をとったとしても3、4球で。次は球数を減らしたい」と宣言した。公立に現れた「奪三振マシン」の夏はまだ始まったばかりだ。【高橋洋平】