11年連続14度目出場の聖光学院(福島)が、「魔法の打線」で13安打を放って初戦を突破した。

 主将の5番仁平勇汰外野手(3年)は、2回の左越え先制三塁打など3安打2打点の活躍。「相手投手が想定していたより調子が悪かったと思う。相手の調子につけ込めて、ガツガツいけた」と汗をぬぐった。

 本塁打が出れば、大会史上6人目のサイクル安打だった。それを問われると「そうなんですか」とまったく気付いておらず、試合に集中していた。「何があってもチームバッティング。チームが負けなければいい」と、主将らしい言葉を吐いた。

 福島大会を制した翌日の7月23日から約2週間、重さ1キロの金属や竹バットを使用して練習を続けた。仁平主将は「聖光の歴史の中で一番打力がない」と言い、2安打を放った8番大平悠斗内野手(3年)は「日本一を取るためには(打撃の)圧力が足りない」と自覚する。各選手がフリー打撃などで約200球、プラスアルファとして素振りも行いスイング力の向上を図った。

 1キロのバットを使用することで、斎藤智也監督(54)は「魔法がかかってくれれば」と話していたが、13安打と効果はてきめん。この日は900グラムのバットで安打を量産した仁平主将は「いつも以上に振れていた」と、“魔法トレ”に感謝した。

 戦後最長11年連続出場の聖光学院は、その期間中、初戦敗退はわずか2回だけ。甲子園では簡単には負けない。