春日部共栄が延長12回表まで0-0の投手戦を、丸田輝遊撃手(2年)のサヨナラ打で制した。同校は来春センバツ甲子園出場校を選ぶ重要な参考資料となる秋季関東大会(10月20日開幕、山梨県)への出場を決めた。

右腕エースの村田賢一投手(2年)の制球が最後まで乱れることなく、浦和実打線を12回で与四球2、10奪三振。散発7安打の好投。「今日は最後まで投げるつもりでした。関東大会も自分が全部投げるつもりでいきます」と意気込んだ。

3年生20人で臨んだ今夏の北埼玉大会は、優勝した花咲徳栄のライバルと目されたが初戦で敗退。新チームは打撃を磨いてきた。ところが、先週末の台風24号で学校グラウンドの防球ネットが一部倒壊。支柱も7本折れたという。学校での打撃練習ができなくなり、本多利治監督(61)は「39年目で初めて。修理に1カ月はかかる。神様は何てことするんだと。大事なときに、心が折れそうになりましたよ」と話す。

系列の共栄大の好意で、打撃練習時にグラウンドを借りるなどし、何とか調整してきた。ベテランの本多監督も「神様は超えられない試練を与えないから」と選手を励ましてきた。この日は打撃で本領を発揮できなかったが、それをカバーするエースの好投。「今日は村田に尽きます。村田さまさまです」と手放しで褒めていた。