学法福島のプロ注目左腕・辻垣高良投手(3年)が7日、約2カ月ぶりの実戦で成長を証明した。尚志との練習試合に先発し、5回を2安打1失点。10奪三振で「福島のドクターK」の真価を発揮し、自己最速も1キロ更新して138キロをマークした。

初回こそ、久々となる打者との対戦に戸惑い失点したが、2回からは立ち直った。スライダーとチェンジアップ、フォークを有効的に使い、捕手が捕れずに三振振り逃げとなるシーンも2度。広島近藤スカウトは「2回から余計な力が抜けていい球がいっていた。左で身長(180センチ)もあるし、フォームも柔らかい」と評価。球速には「今はそれぐらいがちょうどいい。体ができてくれば速くなる」と潜在能力を認めた。

対戦相手の尚志・松井隆昌監督(53)は広島などで活躍し、ロッテでは長年ブルペン捕手として一線級の球を受けてきた。「低めの直球が伸びてくるし、同じ軌道から曲がってくるスライダーもキレがある」とこちらも高評価。すでに4球団がチェックを入れるなど評価が急上昇している。

昨秋は県大会から東北大会まで9試合を1人で投げ抜き、85回で89奪三振、防御率1・05の好成績で注目を集めた。甲子園を夢見て神戸からやってきたが、夏中止にもプロ入りという夢がモチベーションを支える。「優勝した秋以上に輝いて、最後の夏もチャンピオンになる。そしてプロに」と代替大会を見据えて前に進む。【野上伸悟】