夏の代替大会に出場するドラフト候補選手の紹介企画の第3回は東日本編(上)。静岡商の最速148キロ左腕・高田琢登投手(3年)は、プロ12球団が熱視線を送る逸材だ。高校最後の舞台で、球速150キロの大台超えを目指す。

静岡商の高田は、11日開幕の独自大会で「県NO・1投手」の座を不動のものにする。優勝はもちろん、15年夏に当時日大三島の小沢怜史投手(現ソフトバンク)が記録した県内高校生歴代最速の152キロ超えを視野に入れる。

順調に成長の階段を上ってきた。1年夏からベンチ入りすると、同秋に球速140キロをマーク。2年生となった昨年、エースとして臨んだ夏に146キロ、秋の地区大会で148キロと自己最速を更新し続けた。だが、津商(三重)との東海大会1回戦で10失点KO負け。勢いを止められた。

「このままではダメだと思った」と方向転換。昨冬は、それまで力を入れてこなかった下半身のトレーニングに本腰を入れ、カットボールやスプリットといった新球種の習得にも挑戦。先月から再開した練習試合で安定感抜群の投球を披露し「投球の幅が広がった」と手応えを得た。

目標だった甲子園には届かなかったが、次の大会をプロへのアピールの場とする。「150キロ以上を出してチームを優勝させる。その上でドラフト1位でプロ入りしたいです」。有言実行を果たし、有終の美を飾ってみせる。【河合萌彦】