注目の「浜松対決」は、昨夏の県独自大会覇者・聖隷クリストファーに軍配が上がった。伝統校・浜松商に5-1で快勝。2回に先制し、なお1死満塁で2番山田遥晴(ようせい)内野手(3年)が、右越えの走者一掃適時三塁打を放つなど、一挙4得点。ここで得たリードを堅実に守り抜き、“夏連覇”へ向けて幸先の良いスタートを切った。

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聖隷の山田が、笑顔をはじけさせた。2回、満塁の場面で打席に。前の打者が2ボールになった時点で「上村(敏正)監督から『(満塁で)くるぞ』と言われていたので、準備はできていました」。初球の直球を捉え、打球は右翼手の頭を越えた。値千金の3点打を放ち、塁上で何度もガッツポーズを繰り返した。

この日の相手・浜松商は、兄唯斗(ゆいと)さん(20)の母校。自身が進学先を決める際にも、最後まで候補としていた。最終的には聖隷を選択。「練習見学をしたときに、上村監督の指導を受けてみたいと感じたから」と振り返った。

現チーム発足時には主将となった。だが「雰囲気を悪くしたくなかった」と仲間に厳しい指摘ができず、指揮官からしかられる日々が続いた。春季大会前には主将の座を降ろされたが、「ここ一番で活躍するために」と自らを律し、練習に取り組んできた。

身長164センチと小柄だが、チーム内では大きな存在だ。常に平常心を保つため、笑顔を絶やさない姿に、エース柴田和輝(3年)から「あの笑顔を見ると、気持ちが楽になる」と感謝される。次戦以降に向け「これまでやってきたことを信じて戦い、チーム全体で大会中に成長していければ」。勝利を積み重ね、笑顔をもっと増やしていく。【河合萌彦】

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