今秋のドラフト1位候補で最速157キロ右腕、風間球打(きゅうた)投手(3年)を擁するノースアジア大明桜が、秋田の頂点に立った。初優勝を狙った秋田南を6-0で撃破。4年ぶり10度目(前身の秋田経法大付時代含む)の夏の甲子園出場を決めた。

昨夏の県独自大会を含めると2連覇で、今春に続き2季連続の県制覇。東北では八戸学院光星(青森)仙台育英(宮城)鶴岡東(山形)聖光学院(福島)といった甲子園常連校の敗退が相次ぐ「波乱の夏」となっている中、秋田では明桜が“横綱”の威厳を示した。

今大会で3度目の登板となったエース風間は3安打完封で、7個の三振を奪った。150キロ台も初回から20球以上連発した。この日の最速は4、5、9回などにマークした153キロだった。試合は3回に土居健太外野手(3年)が先制打、暴投でも加点して、真柴育夢(はぐむ)内野手(3年)も適時打で続いて一挙3点を奪った。7、9回にも加点して快勝。秋田南を寄せ付けなかった。

夏の秋田大会では甲子園に出場した17年から5年連続(独自大会含む)で決勝進出を果たしているものの、18年は金足農に2点差、19年は秋田中央に1点差で敗れて準優勝と涙をのんだ。昨夏は甲子園中止で夢舞台には立てなかった。主将の中井稜貴捕手(3年)は「甲子園でも1戦1戦、全力で悔いのないように戦い、楽しみたい」。待ち望んでいた4年ぶりの聖地で明桜ナインが大暴れする。

◆ノースアジア大明桜 1953(昭和28)年「秋田短期大学付属高」として開校。1983(昭和58)年「秋田経済法科大学付属高」、20年(令和2年)に現在の校名に改称。野球部は53年創部。甲子園は春5回、夏9回出場で夏のベスト4(89年)が最高成績。主なOBに元ソフトバンクの摂津正。所在地は、秋田県秋田市下北手桜守沢8-1。山田芳浩校長。