第5シードの磐田東が、県3冠を狙う藤枝明誠を5-2で破り、10年ぶりのベスト4進出を決めた。先発の冨田優吾投手(3年)が、10安打を浴びるも粘りの投球で2失点完投。昨秋と今春の県大会を制した第1シード校の撃破に大きく貢献した。

 

冨田が、141球の熱投で大きな白星をつかんだ。2回、先頭打者に左越えの先制弾を浴びた。「緊張していたが、目が覚めた」。力投へのきっかけにした。その後も4回以外は毎回走者を背負うも、失点は8回の押し出し死球の1点のみ。「とりあえずは1人1人を抑えようと、低めへの投球を心がけた」と冷静に振り返った。

22日の日大三島との4回戦では、後輩投手が完投し、休息を取ることに成功。2、3回戦で連続完投していたこともあり「温存させてもらったおかげで、今日(24日)の試合へのアプローチが楽になった」と感謝する。この日は、9回に自己最速の140キロを記録するなど、万全な体調で最後までスタミナを保った。粘る藤枝明誠打線の攻撃も振り切った。

右腕の力投に打線も応えた。1点を追う3回に同点とし、なお2死三塁で3番植田弘敏内野手(3年)が、右前への勝ち越し打。「2死から1、2番がつないでくれた。長打を狙うのではなく、自分のスイングを心がけた」。次戦は、優勝候補の静岡高と対する。プロ注目の相手エース高須について「速球を仕留めて、流れを引き寄せる打撃ができれば」。主砲の一撃が、チームをさらなる高みに導く。【河合萌彦】