高岡商が猛打が自慢の高岡第一打線を封じ、4大会連続21度目の夏の甲子園出場を決めた。高岡商は3回までに6点を先制し試合を支配。エース川渕恒輝(こうき)投手(3年)からの継投と、4併殺で高岡第一の反撃を抑えた。敗れた高岡第一は40年ぶりの夏の甲子園出場を逃した。

自慢の守備力で富山王者の座を守った。初回、本田暖人外野手(3年)の先制適時二塁打を皮切りに3点を先制。3回まで6点をたたき出し、試合の主導権を握った。エース川渕は7回途中4失点で降板したが、吉田真監督(38)の右腕への信頼は揺るがなかった。「川渕を中心としたセンターラインが苦しい場面をしのいでくれた。遊撃の石黒も捕手の近藤も経験が生きた」。この日も2安打を放ち富山大会を打率4割で終えた石黒和弥遊撃手(3年)を中心に、堅守で4つの併殺を完成させた。2番手登板した堀内慎哉内野手(3年)も無失点の好投。相手の反撃を封じ込めた。

決勝までの5試合全てに登板した川渕は「自分1人で勝つのではなく後ろを信じて投げていこうと思っていた」と、一丸での勝利をかみしめた。昨夏の甲子園は新型コロナ禍で中止。林蓮太郎主将(3年)がナインの気持ちを代弁した。「先輩たちの気持ちも背負っている。絶対、甲子園に行ってやる気持ちでやってきた。北陸勢初の夏の甲子園日本一を目指します」。高岡商が満を持して21回目となる夏の聖地に乗り込む。【伊東大介】

▽高岡商・石黒和弥内野手(2安打で富山大会打率4割)「7回は(4点を奪われ)苦しかったが、その後も点が取れ、自分たちの野球ができた」