第94回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)に臨む監督や球児を「どっちも勝て~特別編~」として全3回で紹介する。第2回は、「まだまだいるぞ! 1年生スラッガー」。今大会は花巻東(岩手)佐々木麟太郎内野手を筆頭に、下級生の長距離砲が並ぶ。山梨学院・高橋海翔(ひろと)内野手は昨夏から4番に抜てきされ、勝負強さが光る。木更津総合(千葉)・水野岳斗外野手は、181センチの長身で広角に打てる4番打者。“麟太郎世代”として注目の学年だ。

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花巻東・佐々木麟、広陵・真鍋ら、全国にひしめく1年生の注目打者に、木更津総合・水野は「タイプは違いますが、彼らはライバルです」と言い切った。1年夏からベンチ入り。広角に打ち分けるシュアな打撃と勝負強さを買われ、秋は4番に座り公式戦15打点。打率4割4分7厘でチームをセンバツ出場に導いた。

意識改革でチャンスをつかんだ。「もっと前に出ろ」。昨年6月。練習中のノックで、五島卓道監督(67)のゲキが飛んだ。打撃には自信があったが、課題は右翼の守備。チームメートからも「前に出ないことが多い」と厳しい言葉をかけられた。「消極的だった。何かを変えないと信頼は得られない。積極的に取り組めば何かが変わる」。そう信じて前を向き、「ひとつ前のバウンドで捕球」と、チャージを意識するようになった。

意識改革は打撃にも及ぶ。中学ではバットを長く持ち長打を狙ったが、いまは短く持ってミートを心がける。「狙い球を決め、広角に打ち分けられるようになった」。毎晩1時間の振り込みで感覚を養った。

小1で野球を始めた時から、甲子園を目指した。「他チームの1年生を意識しています。でも、まずは自分のプレーを大事にしたい」。甲子園のスポットライトを簡単には渡さない。ひそかにライバル心を燃やした。【保坂淑子】