帝京長岡は10-1で佐渡に7回コールド勝ち。先発のエース茨木秀俊投手(3年)と、2番手の弟佑太投手(1年)の兄弟リレーで被安打4、1失点(自責0)に抑えた。

帝京長岡の2番手、茨木佑は5回表の佐渡の攻撃を無失点に抑えると小走りでベンチに向かった。待ち構えるチームメートとグータッチ。最後に兄秀俊と拳を合わせた。

「緊張した」。高校のデビュー戦。兄のあとを受けて5回からマウンドに立った。最初の打者にいきなり、右前に運ばれた。ただ、その後は見逃し三振と三ゴロ併殺に切って取る。6、7回も無失点。4三振を奪った。「兄が好投していたので流れを崩したくなかった」。先発で4回を2安打無四球、失点1(自責0)の6奪三振と、秀俊が作ったリズムを壊さないよう気持ちを入れた。

責任を果たした弟を秀俊は「走者が出ても、しっかり抑えた」と見守った。自身は初戦2回戦の新井戦に続いて先発。新井戦は7回6安打1失点。スタンドにセ・パ12球団のスカウトが居並ぶ中、納得できる内容ではなかった。この日も「まだ高かった」と球が上ずった。それでも「意識すれば低めにいく」と最後は最速145キロの直球を外角低めに決めて打ち取った。

芝草宇宙監督(52)は「秀俊は前回より良くなった。佑太は堂々と投げた」と評価。兄弟の継投は学童野球の北海道・手稲中央小時代以来。盤石のリレーが帝京長岡の“武器”になることを証明した。【斎藤慎一郎】