長崎日大(長崎1位)が、快勝で秋季九州大会初優勝に王手をかけた。過去には97年春季九州大会で優勝1度。同校の歴史を塗り替える偉業に挑む。

今大会2度目の先発となった最速141キロの1年生エース右腕、西尾海純(みいと)投手が、8回6安打1失点の好投でけん引した。準々決勝で7回コールド勝ちした強力打線も勢いのまま10安打4得点。投打にかみ合った。

OBの広島大瀬良大地投手に憧れる西尾は公式戦初完封こそ逃したが、堂々の投げっぷり。「意識はしていませんが、監督から任されているので、期待に応えたい」と声を弾ませた。伸びのある直球に加えて、変化球がさえた。要所をカットボールで締め、右打者はスライダー、左打者はフォークで空振り三振を奪うなど「意識してます。コントロールを見習っています」という大瀬良ばりに、精度抜群だった。

大会休養日の27日の練習ではシート打撃登板で結果が出ず、平山清一郎監督(43)から怒られて、修正した。ブルペンで立て直して、夜にはシャドーピッチング。「真っすぐの伸びと、コントロールを意識した。フォークで(体が)開かないようにしました」という取り組みが功を奏した。

鹿児島商野球部時代に中堅手で活躍した父親は、元ソフトバンク川崎宗則、松坂大輔らと同世代。野球DNAを受け継ぐ西尾が「絶対勝ちたい」といい、明治神宮大会切符がかかる初優勝を誓った。【菊川光一】