阪神佐藤輝明内野手(24)がOBの仁川学院(兵庫)は9安打8得点でコールド発進した。

部員36人ながらマネジャーは0。背番号18でベンチ入りした松原蓮空(れく)外野手(2年)が裏方としてチームを支えた。

勝利の校歌を歌う列に背番号18の松原の姿はなかった。右ひざ上の剥離骨折が完治しておらず、走ることができないためベンチ内にとどまり、1人で勝利の余韻に浸った。

昨秋から「1番右翼」として定着したが、春の兵庫大会前の4月に右ひざ下を骨折。6月に完治予定だったが無理をしたのが響き、別の部位の右ひざ上の剥離骨折を招いた。「骨折してエースの山本さんやチームに迷惑をかけて申し訳ない気持ちがあった」。申し訳ない気持ちと同時に試合に出れないはがゆさも生まれた。「ずっと出ていたので出たいという気持ちがあった。自分やったらこうしていたという場面が何回もあって、『うわー』となることが何回もあった」。この日もベンチ内で同様の気持ちになった。

中学時代の福島シニアでも試合に出られずに裏方も経験していた。「試合に出てから裏方のありがたさをすごく感じた。9人で戦っているんじゃないんだと感じた」と双方向の気持ちがわかる。故障してからは、ボール渡しや選手を冷やす氷を入れるなどの裏方の仕事を松原が担当するようになった。

この日の試合中はスコアを書きながらベンチから声を出すなど鼓舞。グラウンドでは活動を控え、校歌斉唱の列にも加われなかった。「一年間一緒に頑張ってきた仲間といたいなと歌いたかった。背番号があるのに1人でベンチにいて、いいなあという気持ちはあった」と苦笑い。それでも「試合に出なくても勝ったことはうれしい」とチームの勝利を喜んだ。【林亮佑】

【スコア速報】高校野球兵庫大会