24時間後のドラマの結末は-。兵庫初の継続試合となった一戦は、豊岡総合の逆転サヨナラ勝ちで決着した。1点差の9回裏無死二、三塁から再開という好機を無駄にしなかった。明石清水は綿密な作戦で臨んだが、踏ん張れなかった。

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1点を追う9回裏無死二、三塁。最高の状況からスタートした豊岡総合は、まず1死満塁として細川瑚太郎内野手(1年)のスクイズで同点。4人目の打者・河原輝星捕手(2年)の二塁前への打球が微妙にイレギュラー(記録は失策)。サヨナラの1点が入った。24時間空白だった9回裏の枠に「2」が刻まれた。

「自分まで回ってくると思っていました。ヒットを打って終わらそうと思っていました。試合前から、絶対勝つぞっていうイケイケのムードだった。みんな緊張していたと思うけど笑顔でできました」。“決勝打”の河原が胸を張った。

前日13日は突然の激しい雷雨で打ち切りに。兵庫初の継続試合が決まった。1日ある。何をすべきか。押せ押せだった豊岡総合は精神面を重視した。スタッフがデータを集め「無死二、三塁からは2点以上入るから」と励ました。車中ではサヨナラシーン集の動画を見てテンションを高めた。

そうして迎えた24時間後の再戦。午後3時1分に再開され、終了は同11分だった。豊岡総合・石田豪監督(34)は「最後は野球の神様のおかげかなと。一生忘れない試合です」。少し疲れた表情で締めくくった。

明石清水の藤村鷹弥投手(2年)は「10分間が一瞬のように感じました」。できる限りの備えをした分、濃密な10分間になった。 前夜、明石清水の選手は作戦用のグループLINEを立ち上げた。相手の調子や特長は手にとるように分かる。エース藤村の配球と照らし合わせ、あらゆるケースを想定。気が付けば夜の11時になっていた。必死の防戦を繰り広げたが踏ん張り切れなかった。松井友紀主将(3年)は「野球人生で一番、緊張しました」と振り返った。扶川雅俊監督(43)は「何が正しかったのでしょうね…。3年間を凝縮したような時間を体験できたのは本当にいい財産」と納得した。