智弁学園は自慢の強力打線が封じられた。2点を追う2回。8番高良の中前適時打で1点差に迫り、なお2死一、二塁の好機。高校通算32本塁打の1番松本が左打席から快音を響かせた大飛球に大観衆が沸いた。逆転3ランか。だが、甲子園特有の浜風に押し戻された白球は無情にも右翼手のグラブへ。勝敗の明暗を分けたワンプレーになった。
打線は花巻東のサイドスロー左腕、葛西の緩急をつけた投球に対応できなかった。小坂将商監督(46)は「今まであまりあたったことがないタイプ。いろんな投手を想定してきたんですけど、なかなか打ち崩せなかった」ともどかしげに言った。右投手対策を入念に行ってきたが、変則左腕に対処できず、25アウト中17個がフライアウトの術中にはまった。10安打を放ちながらもあと1本が出ず、2得点に終わった。
春の近畿王者は今夏の奈良大会もチーム打率が4割を超え、今大会最多12本塁打の強力打線で甲子園に乗り込んだ。1年夏、前川右京(現阪神)らの活躍で果たした準Vを、ボールボーイとして目の当たりにした松本と主将の高良は先輩超えへの思いが強かった。高良は「自分たちの足りない部分が出た試合でした。優勝することが一番の目標だったので、悔しい」と残念無念。土を集めた真っ黒の手で涙をぬぐい、聖地を後にした。【村松万里子】
◆近畿勢が姿消す 履正社、智弁学園が敗退。近畿勢6校が8強に入れなかったのは16年以来7年ぶり(3回戦敗退=履正社、2回戦敗退=智弁学園、市和歌山、1回戦敗退=市尼崎、近江、京都翔英)。49代表制になった78年以降は10度目。

