<高校野球南北海道大会:駒大苫小牧5-3北照>◇19日◇1回戦

 強い駒苫が帰ってきた。駒大苫小牧が逆転で昨夏代表の北照を破り、4年ぶりの甲子園に前進した。中盤まで2点を先行されたが、6回以降に伝統の粘り強さを発揮した。04年夏の甲子園で初優勝した時の主将、佐々木孝介監督(24)が指揮を執るチームは07年夏を最後に低迷。09年8月就任の青年監督に率いられた栄光のチームが、復活への1歩を踏み出した。

 2点リードの9回表1死満塁。ここでマウンドに上がった駒大苫小牧・近藤奨也投手(3年)は、大先輩の楽天田中ばりに、気迫を込めてカットボールを投げ込んだ。自信を持つ球の連投で、2者連続三振に仕留めると、大きく右手を突き上げて喜んだ。攻撃陣は、かつて何度も逆転劇を演じた甲子園をほうふつさせる粘りで8回に勝ち越した。おなじみの校歌が流れると、三塁側ベンチ前の佐々木監督は口を真一文字に結び感無量の面持ちだった。

 「この壁を突破したかった。そのために、自分に、選手にプレッシャーをかけてやってきました」。佐々木監督はそう言って、大きな息をついた。監督として初めて挑戦した昨夏は、南北海道1回戦で延長10回、11-12で札幌一にはね返された。香田誉士史監督(当時、現鶴見大コーチ)のもと03年から5年連続で南北海道を制覇し、その間に甲子園連覇、決勝再試合の準優勝1回。だが、指揮官が代わり、常勝軍団は苦境に立たされていた。この日も苦しい展開で「去年のことが頭をよぎりました」(佐々木監督)。それでも練習量は当時に匹敵し、青年監督に鍛えられたチームは成長を遂げていた。

 部員100人を超えていた当時とは違い、今年の3年生部員はわずか4人。1、2年生主体で戦っている。佐々木監督は「優勝したのは過去のこと。それを押しつけはしません。選手には勝つ喜びを知ってほしい」と現実を受け入れ、選手とともに悩み、苦しみ、そして練習で汗を流してきた。試合後、勝利に沸く選手が球場控室の窓を開けて騒ぐ姿を見つけると、血色を変えて「何をやってる」と一喝。やさしい兄貴でもあり、時には鬼になる。4番を打つ山口熙(ひかる)主将(3年)は「1年間やるべきことを徹底してやった。これが甲子園につながると思います」と力強く言った。【中尾猛】

 ◆佐々木孝介(ささき・こうすけ)1987年(昭62)1月10日、北海道・余市町生まれ。駒大苫小牧高では1年秋から内野のレギュラー。2年春夏に甲子園出場し、3年時は主将(遊撃手)として夏の甲子園初優勝に貢献。深紅の大優勝旗を初めて北海道にもたらした。09年4月、駒大卒業とともに母校に戻り、コーチ就任。同年8月から監督として指揮を執る。監督としては09年秋の北海道大会4強が最高戦績。