<高校野球南北海道大会:札幌南3-2北海道栄>◇19日◇1回戦

 札幌南が北海道栄に競り勝ち、11年ぶりの夏甲子園へ好発進した。7番鈴木洋平右翼手のソロ本塁打などで奪ったリードを、大間幹起(よしき)投手(ともに3年)が130球、8安打完投で守り抜いた。昨夏、秋と地区初戦敗退の屈辱をバネに、春全道準々決勝の再戦を制して勢いに乗った。

 札幌南が、苦しみながらも勝つ味を覚えてきた。最大のピンチは2点リードで迎えた6回裏の守備。無死から連続安打され、投手前の送りバントを大間が一塁にまさかの悪送球。1点を返され、なおも無死二、三塁の場面で女房役の柳沢がマウンドに歩み寄った。「監督からの指示は『もう1点もやるな』。内角の直球攻めでゴロを打たせようとしました」(柳沢)。バッテリーは慎重を期し、打者ごとに間合いを取って後続を三飛、遊ゴロ、二ゴロに仕留めた。ここ一番で、大間も柳沢が構えたミットに投げ込んだ。

 札幌地区予選で1試合平均失策1のチームが、この日は4失策。それでも、5回表に飛び出した鈴木の決勝アーチの1点を守り切って勝利をつかんだ。最後は大間が本塁付近へ駆け寄り、両手を大きく突き上げてジャンプ。ナインと喜びを爆発させた。「相手(北海道栄)は強かった。でも、何とかみんなが守ってくれました。春に負けた若林君にもリベンジできました」と大間は言った。

 1球、そしてワンプレーの怖さ、大切さを学んできた。特に昨夏から投手に転向した大間にとっては、実戦が何よりの勉強の場だ。昨夏、秋と地区初戦敗退。春は6試合、夏はこの日で4試合目。池田賢監督(44)は「大間はまだ伸びしろがある。まだ、成長途上です」と手応えを感じ取っている。9回全力投球では、肉体的にも精神的にも持たない。強豪相手だったが、力の配分を組み立てて投球できるようになった。柳沢は「オン、オフの切り替えができるようになりました」と話した。

 決勝打の鈴木は地区初戦は出場したが、その後は打撃不振でスタメンを外れていた。札幌市内のバッティングセンターで打ち込んでいた時、見ていた男性が「ダウンスイングになっているよ」とアドバイスしてくれた。レベルスイングに修正し、復調のきっかけをつかんで先発起用に応えた。

 大間だけではない。1人1人が成長し続けている。【中尾猛】