<高校野球岩手大会:北上翔南8-7釜石商>◇11日◇1回戦

 釜石商が、約3時間の死闘で最後の夏を終えた。北上翔南戦の延長15回に7-8とサヨナラ負け。来年度に釜石工との統合を控え、現校名で戦う最後の公式戦を飾れなかった。

 釜石商応援席の大半を占めた女子生徒から、悲鳴が上がった。延長15回裏、2死二塁。打球が右前に落ち、相手走者がホームを駆け抜けた。3時間15分、戦い抜いた末のサヨナラ負け。控室では、部員12人が座り込んで泣き続けた。渡辺俊之監督(38)は「勝たせてやりたかった。選手たちはよく頑張ったのに…」と言葉を詰まらせた。

 昨夏も初戦敗退、過去の最高成績も4回戦進出という無名校だが、今年は自信があった。北上翔南や金足農(秋田)と毎年1月に田沢湖合宿を行い、持久走や山登りで強い体力と精神力を身に付けた。久保晨也(しんや)主将(3年)は「合宿のおかげで、練習が辛くなくなった。ベスト8が目標だったけど、粘り強い野球は見せられたと思う」と胸を張った。12選手が一丸となり、野球部員30人の北上翔南と互角に戦った。

 来年度に釜石工との統合を控え、本年度の1年生部員はいなかったが、先輩たちが頑張った。延長15回の熱戦で、創部76年の歴史を締めくくった。久保主将は「もうこのユニホームが公式戦で見られないと思うと…」と話すと、涙で言葉が続かなかった。【柴田寛人】