<高校野球宮崎大会:宮崎商1-1都城東>◇18日◇準決勝

 死闘を演じた両左腕エースは、最後まで負けなかった。宮崎商と都城東の準決勝第2試合は、延長15回引き分け再試合となった。宮崎商のプロ注目左腕・赤川克紀投手(3年)は15回4安打17奪三振。ネット裏のスカウト陣をうならせる圧巻の投球だった。都城東の上田翔也(3年)も232球を投げ抜いた。再試合は20日、この日勝ち上がった日南学園への挑戦権をかけて行われる。

 プロが注目する大型左腕・赤川克紀(3年)が、またも強烈なインパクトを与えた。15回を投げ17個の三振を奪い4安打1失点。17奪三振は参考ながら、宮崎大会のタイ記録だ。この日、最速145キロだった直球は最後まで衰えず、15回にも140キロ台を計測。試合後も「疲れはありません」と193球を投げ抜いても、ケロリとしていた。

 驚異のスタミナも持ち合わせていた。春の大会後の4月末から、1日おきに200球以上の投げ込み。その裏付けから、浜田登監督(41)も「200球くらいなら、疲れはないでしょう。代えるつもりはなかった」とあっさり。内容にも「これが赤川の本来の姿」と特別な投球ではなかったことを強調した。

 自らピンチも切り抜けた。延長12回表、1死一、三塁となったが冷静さを光らせた。相手のスリーバントスクイズを「投げるときに肩越しに走者が走るのが見えた」と、とっさに外角にワンバウンドの投球で外し、バットにかすらせなかった。

 圧巻の投球にプロもうなった。この日も国内の各球団スカウトがネット裏から熱視線を送った。広島の田村恵スカウトは「球の切れ、投球のフォーム。気持ちも入ってきてるし、どれをとっても素晴らしい」と大絶賛だった。

 打席では、15回裏2死二塁とサヨナラのチャンスで三振に倒れ、照れ笑いしたが、再試合に話が向くと「次も投げ抜く」ときっぱり。勝てば有馬、中崎の両左腕擁する日南学園が相手。「負けたくない」。同じ左腕のライバルを倒すまで、マウンドに立ち続けるつもりだ。【栗原広人】