<高校野球静岡大会:浜松商7-3市沼津>◇22日◇準々決勝

 またも強力打線が火を噴いた浜松商は市沼津を下した。浜商打線は本物だった。16安打7得点を奪い、6年ぶりのベスト4入りを決めた。中でもこの日、3番石田崚三塁手(3年)は1本塁打を含む2安打の活躍で勝利に貢献した。

 素振りのような感触だった。3回表2死。0-2からの直球を振りぬいた。「いった」。無意識に拳を突き上げた。打球は一直線で右翼スタンドに飛び込んだ。3回戦では守備で2つのミスを犯し、ノーヒット。試合中にもかかわらず涙した。「悔しかった」。試合後、合宿所に戻り2時間打ち込んだ。入学当初から毎日、5時に起きて朝練習に一番乗りし、夕方の練習では最後に帰った。会心の1発に、努力家は「よかった。借りを返せた」。

 23日、昨年覇者の常葉学園菊川と対戦する。「相手は太陽が敵と言っているらしい。僕たちが勝ちますよ」。ガチガチになった手のひらを握り締め、8年ぶりVを目指す石田は言い切った。