第91回全国高校野球選手権(8月8日から甲子園)福岡大会の組み合わせ抽選が19日行われ、3回戦までの組み合わせが決定した。大会ナンバーワン左腕と評される福岡大大濠のエース川原弘之(3年)が最速144キロの速球を武器に、夏は20年ぶりとなる甲子園出場を目指す。福岡大会は7月4日開幕。25日に出場校が決定する。

 185センチの長身から投げおろす川原の速球は最速144キロで、すでにプロ12球団のスカウトがチェック。「九州ナンバーワン左腕」と呼ばれる逸材だ。昨秋の九州大会では準々決勝でセンバツV右腕の清峰の今村猛(3年)と延長10回を投げ合った。1-2と惜敗しセンバツ切符は逃したが、今村の甲子園での活躍に「自分たちも頑張れば甲子園に行けるんじゃないかな」とプラスの刺激を受けた。

 川原がターゲットに定めているのが優勝候補の九州国際大付だ。昨秋の福岡県大会で2-6と完敗。5月のNHK旗大会でも2-3で敗れ現在2連敗。「九国大付を倒さないと甲子園はないと思っています。最後に勝ちたい」とリベンジをかけて県内最強と言われる九州国際大付打線に挑む。

 春の疲れが出て5月は約1カ月間ノースローで走り込んだ。6月14日に行われた大阪桐蔭戦では強打の相手打線を3失点に抑え完投勝利を挙げた。「夏は強い気持ちで投げたい。最初から気合入れて行きます」。川原がその左腕で甲子園切符をつかむ。【前田泰子】

 ◆川原弘之(かわはら・ひろゆき)1991年(平3)8月23日、福岡市生まれ。南片江小1年のとき「油山少年野球」で野球を始め、6年から投手。片江中ではフレッシュリーグ「福岡ウイングス」で投手を務め、3年のときエースとしてホークスカップで優勝。高校では1年秋からエース。185センチ、80キロ。左投げ左打ち。