第92回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕)の出場権をかけた地方大会の組み合わせ抽選が26日、行われた。186校が参加する大阪大会は、7月10日に京セラドーム大阪で開幕。ドラフト上位候補の吉川大幾内野手(3年)、勧野甲輝内野手(同)、多司将仁投手(同)らを擁すPL学園は、同19日の初戦(2回戦)で東大阪大柏原-今宮工科の勝者と対戦し、連覇へ向けスタートを切る。

 2年ぶりにベンチで迎える夏が、高校最後の夏になった。昨年、大阪大会組み合わせ抽選会が行われた6月27日、勧野は打撃不振でメンバー落ち。それから1年がたち、背番号3の不動の4番に座る。「清原2世」と呼ばれた強打者は、大先輩と同じ背番号と打順で7月19日の初戦に臨む。

 「悔しくて情けなくてたまらなかった」と振り返るメンバー落ちから、勧野は変わった。持って生まれた才能への甘えを捨てて打撃練習に熱心に取り組み、盗塁にも挑戦するようになった。右方向に軽々と飛ぶ本塁打に、プロのスカウトも「やっぱりものが違う」と再評価。現在高校通算24本塁打。95年に先輩の福留孝介(カブス)が作った1大会最多7本塁打更新への期待もかかるが、勧野は「必要な場面は別として、本塁打を打ちたいとはもう思わない。走者がいる場面ならボテボテのゴロでも進塁打を打ちたい。もちろんバントもします」と語った。

 「1年前の悔しさはまだ晴らせていない。それは甲子園に出ていないから」。チームのため、一塁、三塁、投手を兼任する。「甲子園で輝く」という名前に込められた期待を、最後の夏に果たす。【堀まどか】