<高校野球愛知大会>◇30日◇決勝

 昨夏の覇者・中京大中京が全国最多188校がひしめく愛知を制し、史上7度目の夏連覇への挑戦権を得た。愛知啓成を7-2で圧倒。今夏で退任する大藤敏行監督(48)の花道を夏連覇で飾ろうと、4季連続となる甲子園に乗り込む。初戦(3回戦)から決勝までの計6試合、1度たりとも相手にリードを許さなかった。この日も12安打を放ち8つの犠打を決めるなど本領を存分に発揮。さらに大会通算3失点という投手力で最激戦区を制した。

 6月中旬だった。突然、大藤監督の今夏限りの退任が決まった。退任の報告と同時に「オレのことは気にするな」とだけ話した。そんな指揮官は優勝を決めた瞬間、ベンチで誰より大きなバンザイで喜びを爆発させ、1人だけ泣いた。同監督は「本当に親孝行な子どもたちです。ありがとうと言いたい」。王者が優勝旗とともに、全員で夏の甲子園に戻る。