覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕された清原和博容疑者(48)と巨人時代に同僚だった元プロ野球選手野村貴仁氏(47)が、清原容疑者が現役時代の1998年(平10)時点で覚せい剤を使用していたと証言した。10日、高知市内の自宅で日刊スポーツの取材に応じたもの。「(使用していた)証拠はある」とも明言した。野村氏は06年10月に同法違反(使用)の疑いで逮捕され、有罪判決を受けている。

 昨年10月ごろから蓄えているヒゲをさすり、野村氏は自宅敷地内のゴミをかき分けて姿を現した。身ぶり手ぶりを交えながら口を開いた。その一言目だった。清原容疑者が覚せい剤に手を出した時期について断言した。

 「98年ぐらいからやっていた」

 オリックスの中継ぎ左腕として95、96年のリーグ連覇に貢献した野村氏が、巨人に移籍したのが98年だった。当時プロ13年目で31歳のシーズンだった清原容疑者は、巨人の主砲として116試合に出場し、23本塁打80打点と活躍。4試合連続本塁打を放つなど、球界の顔としてオールスターにも出場していた。

 野村氏は「今は無責任なことを言えない。(清原容疑者の)公判が終わったら話す」と、元同僚が覚せい剤に手を出した動機、自身との具体的なやりとりは明言を避けたが、98年時点での使用には自信を持つ。

 「証拠はある。僕は野球バカじゃない。今、この家にはないけれど、コピーだったりがある」

 14年3月には週刊文春が同容疑者の薬物使用疑惑を報道。07年春以降、野村氏は同容疑者と連絡を取ることはなくなっていたが「記事が出ることで(覚せい剤は)やめるだろう」と、先輩への警告の意味で週刊文春の取材に応じた。今回の逮捕には「まだやっていたのか」と驚いたという。

 2度の球宴出場経験を持ち、米大リーグにも挑戦した野村氏は引退後の06年、覚せい剤取締法違反(使用)容疑で逮捕された。9日に放送された日本テレビの取材に、清原容疑者に自身が仲介役となり、覚せい剤を「渡したからや」と衝撃発言。目はうつろで、聞き取りにくい言葉だった。しかし、この日ははっきりとした口調で取材に応じた。現在は無職といい、太平洋にほど近い集落に1人で住み、自宅1階にはゴミが散乱。それでも現在は「(覚せい剤を)やっていない」と断言した。

 現在警視庁で取り調べ中の清原容疑者へ向けては「僕は(覚せい剤で捕まった際に)『数少ないファンを裏切った』と言ったけれど(清原容疑者はファンが)何人いるか分からない。安易に『立ち直れ』なんて無責任なことは言えない。本人がしっかりしないと」。1学年下の野村氏は厳しい表情になった。