中央学院大の石井聖太(しょうた)投手(2年=中央学院)が、全国デビュー戦で“投の主役”に名乗りを上げた。初回1死から140キロ台後半の速球で3者連続空振り三振。スライダーやフォークもさえ、8回1死まで1人の走者も出さない快投を見せた。直球の最速は147キロで、毎回の14奪三振で2安打完封。04年の一場靖弘(明大)以来、史上5人目となる完全試合は逃したが「頭にはあったけど、初ヒットを打たれても気にすることなく投げられた」と汗をぬぐった。

 今春リーグ戦でブレークした。初先発は4月10日。8回で12三振を奪った。その後は3試合連続完封。「秋は142、3キロだった」という球速も、5月21日に自己最速149キロをマークした。今春7試合46回2/3で72奪三振、防御率0・95で優勝に貢献。MVPと最多奪三振も受賞した179センチ、78キロのエースは「直球を伸ばすためにウエートトレーニング中心に変え、体重も4、5キロ増えた。成果がすぐに出た」と喜んだ。

 投げ終えた後に右足を高く蹴り上げる豪快なフォームは、レッドソックス上原を思わせる。5日が20歳の誕生日だった石井は「将来はプロに行きたい。この大会で150キロ出す」と気合十分だった。【鹿野雄太】