7年連続12度目出場の東日本国際大(南東北)は立命大(関西学生)に2-8で敗れ、2年連続初戦で姿を消した。

 「大谷を倒した男」が意地を見せた。1-6の8回2死。東日本国際大の4番二橋大地(4年=盛岡大付)が、真ん中低めのチェンジアップを捉え、左翼席中段へ豪快なソロを放り込んだ。自身3年連続の出場で「2年生の時からずっと1本打ちたいと思っていた。最後の打席で打てたのは個人的には良かった」。だが目には涙をためていた。2年ぶりの勝利を逃した悔しさが、込み上げてきた。

 盛岡大付3年時、主砲だった12年夏の岩手大会決勝。1-0の3回に花巻東・大谷翔平投手(日本ハム)から3点本塁打を放ち、甲子園を勝ち取った。その大谷は前日5日、東京ドームで日本球界最速の163キロをマークした。一夜明けた同じ球場で、今度は二橋が大会1号のアーチをかけた。「163キロが出たことは知っていたけど、別にそれは意識していなかった」。プロとアマ。異なる立場でもあり、打席に集中した。

 昨年も敗れた大体大(阪神)との1回戦で4番に座り、二塁打3本と気を吐いた。この日も6回に左前タイムリーを放ち、チームの全得点をたたき出した。仁藤雅之監督(36)は「4番らしい活躍をしてくれた」とねぎらった。今大会で他の4年生は引退するが、二橋は「秋も残る」と話す。後輩たちを引っ張り、明治神宮大会出場をかける。

 「プロで大谷からバックスクリーン弾を打つ」夢を今でも持ち続ける。卒業後は社会人でのプレー希望し、ステップを踏んでからのプロ入りが目標。引退する仲間の4年生の無念も背負い、大学ラストシーズンを迎える。【久野朗】