7月12日から始まる第40回日米大学野球選手権大会(新潟ほか)に出場する大学日本代表のメンバーが19日、発表され、東大の最速148キロ左腕・宮台康平投手(3年=湘南)が選出された。東大としては83年大越健介投手以来33年ぶり、2人目の快挙。3日間の選考合宿を経て代表入りを果たした宮台ら24人は、7月6日からの直前合宿(平塚、新潟)後、決戦に挑む。

 宮台がまた、夢をかなえた。全国から集まった50人の精鋭たちと堂々と渡り合い、日の丸を背負う権利を勝ちとった。「選んでいただいて大変光栄です。大学日本代表の名に恥じないプレーをしたいと思います」。平塚で行われた3日間の選考合宿を経て疲れ果て、短いコメントに喜びを凝縮させた。

 インテリ左腕が、人生初の“追試”に合格した。合宿初日の紅白戦に登板した。2回を投げ、直球は自己最速を2キロ更新する148キロを記録したが、3安打1失点。リーグ戦でも未経験の、中1日での登板を志願した。有言実行の合宿最終日は、1回を投げ無失点。1安打1四球だったが「中1日でしっかり投げられたのは良かった。直球は打たれましたが、シンカーは悪くなかったです」と及第点を与えた。

 次々に目標を達成している。年始に「まずは(東京6大学の)リーグ戦で完投勝利を挙げること。そして、大学代表にも入ってみたい」と語っていた。今春は6試合に登板し、立大1回戦での完封勝利を含む2勝4敗。44回を投げて39奪三振、防御率2・05と安定した成績を残した。プロのスカウトも素質を高く評価し、一躍来秋のドラフト候補にも浮上した。

 8月27日に開催される「侍ジャパン壮行試合 高校日本代表対大学日本代表」(QVCマリン)では、高校代表の候補に挙がる早実・清宮幸太郎内野手(2年)と対決する可能性もある。その前に、まずは米国撃破だ。「合宿では力の差を感じました。追い付きたい気持ちは大きいです」。春のリーグ戦を盛り上げた東大の日の丸戦士がこの夏、世界を相手に左腕を振る。【和田美保】

 ◆大越の日米大学野球 東大3年の83年、広沢克己(明大)小早川毅彦(法大)和田豊(日大)河野博文(駒大)らとともに選出された。6月28日、甲子園で行われた第3戦で3回途中から2番手として登板。のちに大リーグ通算583本塁打を放った4番マグワイア(2年)に左前安打を許すなど0/3回、打者2人で無失点。