もっとも、世界一カ軍の現状は、選手層が厚く、メジャー契約を持つ選手が最優先。エプスタインGM、マドン監督ら首脳陣は川崎残留を望んでおり、控え選手をトレードで放出することで「枠」を空けようと試みていた。ところが、他球団との交渉は思うように進展せずじまい。開幕メジャーの可能性が低くなった時点で、川崎自身が移籍を前提に「退団」を選択したものとみられる。

 だからこそ、契約解除に踏み切った時点で、川崎は腹をくくっていた。カ軍のキャンプ施設で28日(同29日)、契約破棄の書類にサインした際には、晴れやかな表情を浮かべていた。「自分に合ったいいチームを探して、そこでプレーするように考えています。あとは僕の人生ですから」。残留の可能性を残していたカ軍への最終返答期日(29日)も経過。家族同伴で帰国する31日以降、ホークスとの間で最終的な交渉を進めることになる。

 カ軍でのキャンプイン後、川崎はいつになく真剣な口調で言った。「明日、やめてもいい。それくらいの気持ちでやります」。日米通算プロ18年目。米国からホークスへ。川崎の新たな野球人生がスタートする。