5年目の宮崎が初めて規定打席に到達し、打率3割2分3厘で首位打者に輝いた。プロ野球初年度の36年と外国人選手を除き、初めて規定打席に到達したシーズンに首位打者は12年角中(ロッテ)以来15人目。このうち入団5年目以上では76年吉岡(太平洋)04年嶋(広島)08年内川(横浜)角中に次いで5人目になる。過去14人を見ると、94年イチロー(オリックス)の通算7度を筆頭に、半数の7人がその後も首位打者を獲得。05年青木(ヤクルト)から3人続けて2度以上取っており、来季以降の宮崎にも期待が持てそうだ。

初めて規定打席に到達した年に首位打者
初めて規定打席に到達した年に首位打者

 宮崎は523打席立って三振が47個。今季のセ・リーグ規定打席に到達した28人の中では三振が最も少なく、三振÷打席数で計算する三振率は9分。三振率が1割切ったのも28人の中で宮崎だけだった。三振が少なく、バットに当てることは自信がある宮崎だが、足には自信がない。今季も盗塁0で、プロ5年間でまだ盗塁を記録していない。通算の盗塁失敗も0で、盗塁を試みたこと自体がまだない。その年に盗塁0の首位打者は01年福浦(ロッテ)12年阿部(巨人)に次いで3人目も、2人は首位打者獲得年の前に盗塁をマーク。通算盗塁0の首位打者はプロ野球史上初めてだ。

リーグ最多併殺打の首位打者
リーグ最多併殺打の首位打者

 バットに当てるのが上手で三振の少ない打者は、併殺打が多くなりやすい。宮崎の併殺打は今季両リーグ最多23本。リーグ最多併殺打の首位打者は90年パチョレック(大洋)以来6人、8度目。バットコントロールが巧みな右打者ばかりで、過去の日本人打者3人は後に2000安打を達成した。初めて規定打席へ到達したシーズンにリーグ最多併殺打で首位打者は81年落合(ロッテ)と同じ。落合が28歳、宮崎は29歳のシーズンと年齢も近い。宮崎が落合級のバッターになるかもしれない。【伊藤友一】

宮崎の年度別成績
宮崎の年度別成績

 ▼DeNAは2年連続の3位。昨年は借金2も、今季は73勝65敗5分けの貯金8。シーズン勝ち越しは01年以来、16年ぶりになる。2年連続Aクラスだが、チーム防御率は16年3・76の5位、17年3・81の4位で、投手力が課題。今季は序盤の失点が目立った。4回以降の失点は昨年の420点から390点に減ったものの、1~3回の失点は昨年の168点から208点に増えた。セ・リーグで3回までの失点はヤクルトの220点に次いで多かった。3回までに4失点以上が昨年の13度から25度に増え、その試合は5勝20敗と大きく負け越した。

【注】点線より上、打者は規定打席=443、投手は規定投球回数=143に到達。白ヌキはリーグ最多
【注】点線より上、打者は規定打席=443、投手は規定投球回数=143に到達。白ヌキはリーグ最多
【注】点線より上、打者は規定打席=443、投手は規定投球回数=143に到達。白ヌキはリーグ最多
【注】点線より上、打者は規定打席=443、投手は規定投球回数=143に到達。白ヌキはリーグ最多